- 「なんであの人、自分の仕事をこっちに回してくるんだろう」
- 「仕事をしない人がいるのに、給料が同じなのが納得できない」
その気持ちは、まっとうだと思う。
押し付けられた分だけ自分の時間が削られているんだから、腹が立って当たり前だ。
僕は逆に、仕事を押し付けられていたのに「仕事をしない人」だと思われて、怒鳴られたことがある。
そのあと移った工場では、本当に「頑張りたくない」と言ってサボっていた先輩も見てきた。
この記事は「仕事を押し付ける人は孤立する」みたいな精神論じゃない。
押し付けられていた僕が辞めた日に、職場で何が起きたか。サボっていた先輩が、そのあとどこへ行ったか。
金属加工の会社と工場で、実際に見た2つの末路を書いたものだ。
先に答えを書いておく。
🦥 仕事を押し付ける人・仕事をしない人の末路(この記事の結論)
- 仕事を押し付ける人の末路:押し付けていた相手が辞めた日に、その仕事が全部戻ってくる
- 仕事をしない人の末路:サボった分が周りの待ち時間になり、最後は「代わりのいない仕事」として本人に戻ってくる
- どちらも因果応報じゃなく算数:仕事は消えない。誰かのところへ移動するだけ
- 押し付ける人に悪気があるとは限らない:多くは、自分の仕事量しか見えていない
- 手を抜くこと自体は悪くない:問題は、そのツケを誰が払うか
つまり、押し付けられている側が戦わなくても、仕事はいずれ持ち主のところへ帰っていく。
ただ、この話には続きがある。
僕自身も昔、「見えていない側」にいたことがあるのだ。
その話は第2章でする。まずは、怒鳴られた日のことから書いていこう。
もくじ(タップで開閉)
- 第1章:【実話】仕事を押し付ける人に「なんで出荷ばこんのか!」と怒鳴られた
- ◾️金属加工の会社で、僕が持っていた4つの仕事
- ◾️前任者は、梱包出荷と配達を2人でやっていた
- ◾️「配達ができない」には理由があった
- 第2章:仕事を押し付ける人の心理|悪気はなく、自分の仕事量しか見えていない
- ◾️よく言われる「楽をしたい」より、「見えていない」の方が多い
- ◾️見えている範囲が、その人にとっての全部になる
- ◾️僕も旋盤を回していた頃、「図面作るだけの奴ら」と言う輪の中にいた
- 第3章:仕事を押し付ける人の末路|僕が辞めた日、仕事は全部戻った
- ◾️引き継ぎは、ちゃんとやった
- ◾️それでも、文句を言っていた頃より仕事量は増えていた
- ◾️因果応報じゃない。仕事を押し付ける人の末路は算数で来る
- 第4章:仕事をしない人の末路|サボっていた先輩は「代わりのいない仕事」に回された
- ◾️「頑張りたくない」と言っていたフォークリフトの先輩
- ◾️サボった分は消えずに、作業者の待ち時間になっていた
- ◾️フォークリフトを降ろされ、代わりのいない一人作業へ
- ◾️自分から異動を願い出て、1年ほどで辞めた
- ◾️仕事をしない人の末路は、慣れた仕事を失い、代わりのいない場所に置かれること
- ◾️仕事を「しない」人と「できない」人は、末路が違った
- 第5章:仕事を押し付ける人と仕事をしない人の違いは「ツケを誰が払うか」
- ◾️時給で働くなら、手を抜くのはむしろ自然なことだ
- ◾️サボるなら、ツケを人に回さないサボり方を選ぶ
- 第6章:仕事を押し付けられた時の対処法|言い返す代わりに量を減らした
- ◾️まず自分の仕事量を書き出して、見える形にする
- ◾️僕は前任者のエクセルを作り替えて、仕事の量を減らした
- ◾️上司に相談するなら「気持ち」ではなく「量」で話す
- ◾️それでも回らないなら辞めていい。仕事は辞めた日に持ち主へ戻るだけだ
- 第7章:仕事をしない人でいたいなら、雇われない働き方しかないのかもしれない
- あとがき:仕事を押し付ける人も、仕事をしない人も、恨んではいない
第1章:【実話】仕事を押し付ける人に「なんで出荷ばこんのか!」と怒鳴られた
「なんで出荷ばこんのか!」
出荷の現場に、なんで来ないのか。そういう意味だ。
言われた瞬間、頭の中で「え、僕?」と声が出た。(口には出していない)
◾️金属加工の会社で、僕が持っていた4つの仕事
高校を出て入った金属加工の会社で、僕は途中から「パソコンを使える」という理由で、工場の加工とは別の部署に移された。(理由が軽い)
事務作業をこなし、鋼材の使用量を計算して見積もりを出し、足りなくなる前に発注をかける。
できあがった製品を梱包して出荷し、配達にも出る。
このうち事務と鋼材管理は僕だけの担当で、梱包出荷と配達は、中途採用で入ってきた人と2人で持つことになった。
定年退職する人の仕事を引き継ぎ、寿退社したパートのお姉さんの仕事も引き継いで、数えてみるとだいたい2.5人分を抱えていた。
◾️前任者は、梱包出荷と配達を2人でやっていた
梱包出荷と配達は、前任者の時から基本的に2人で回していた仕事だ。
それをそのまま、僕と中途採用の人の2人で引き継いだ。
数字の上では人数は変わっていないけど、僕の方には事務と鋼材管理が最初から乗っている。
◾️「配達ができない」には理由があった
引き継いでしばらくして、中途採用の人から「配達ができない」と言われた。
前の仕事で配達中に動悸がしだして、それ以来、運転して配達に出ることができなくなったそうだ。
これは体調の問題でわがままじゃないから、配達を代わったこと自体に文句を言うつもりはまったくない。
結果として、2人で回していた配達は、僕1人の仕事になった。
配達に出ている間、僕は当然、出荷の現場にはいない。
戻ってきたら事務と鋼材の計算が待っているので、梱包出荷に顔を出せる時間はどんどん減っていく。
そしてある日、あの一言が飛んできたのだ。
その人にとって、僕は「出荷に来ない人」=仕事をしない人だった。
第2章:仕事を押し付ける人の心理|悪気はなく、自分の仕事量しか見えていない
怒鳴られた時は、正直ムッとした。
でも少し時間がたってから、その人の目に何が映っていたのかを並べてみた。
| 僕がやっていたこと | その人から見えていたか |
|---|---|
| 事務作業 | ✕ |
| 鋼材管理(使用量の計算・見積もり・発注) | ✕ |
| 配達(前任者は2人、僕は1人) | ✕(そもそも外に出ている) |
| 前任者のエクセルの作り替え | ✕ |
| 梱包・出荷 | ○ ← 見えていたのはここだけ |
5つのうち、見えていたのは1つだけ。
しかもその1つに、僕はほとんどいない。
◾️よく言われる「楽をしたい」より、「見えていない」の方が多い
仕事を押し付ける人の心理として、よく挙げられるのはこのあたりだ。
- 楽をしたい
- 自分に自信がない
- 何も考えていない
そういう人も、たしかにいると思う。
でも僕が見た押し付けは、どれでもなかった。
中途採用の人は楽をしたかったわけじゃないし、梱包出荷の現場では、むしろ一生懸命に手を動かしていた。
ただ、自分の持ち場の外で、誰がどれだけ抱えているかが見えていなかっただけなのだ。
◾️見えている範囲が、その人にとっての全部になる
僕とその人が一緒にいた場所は、梱包出荷の現場だけだった。
事務の机も、鋼材の計算も、配達のルートも、その人の視界には入らない。
見えている範囲が、その人にとっての仕事の全部になる。
だからその人の視界の中では、あの怒りは正しかったと思う。
自分は毎日出荷の現場で汗をかいているのに、もう1人はなかなか来ない。そう見えていたなら、腹が立つのも無理はない。
……と偉そうに書いているけど、実は僕も人のことは言えない立場だったりする。
◾️僕も旋盤を回していた頃、「図面作るだけの奴ら」と言う輪の中にいた
入社してすぐの僕は、工場で汎用NC旋盤を回す金属加工職人だった。
休憩中、職人たちはよくこんな話をしていた。
「俺たちが製品作ってるのに、図面作るだけの奴らと営業が同じような給料もらってるのが納得できない」
僕はその輪の中にいて、黙ってうなずいていた側だ。
でも、あとで事務や鋼材管理に回ってから、見えていなかったものがたくさんあったことを知った。
| 部署 | 職人から見えていたか | 実際にやっていたこと |
|---|---|---|
| 営業 | ✕ | 平日でも接待で深夜まで飲み、翌朝は普通に出社していた |
| 図面 | ✕ | 素材ごとの熱入れの見極め、出すべき硬度、加工手順の設計。書類も多く、品質に直結するので計算と調査がずっと続く |
「図面作るだけ」なんて、とんでもなかった。
職人も、営業も、図面も、全員が自分の持ち場しか見えていなかったのだ。
そして僕はそのあと、今度は「出荷に来ない人」と言われる側に回った。
見えていない側にも、見られていない側にも、両方立ったことになる。(人生、だいたいこうやって帳尻が合う)
だから僕は、仕事を押し付ける人を「性格が悪い人」とは思っていない。
見えていないだけの人は、どこの職場にもいる。昔の僕もそうだった。
▶︎仕事が集中する人の特徴4つ|原因は断れない性格ではなく職場の問題だった
第3章:仕事を押し付ける人の末路|僕が辞めた日、仕事は全部戻った
ここからが、この記事で一番書きたかったところだ。
しばらくして、僕はその会社を辞めることになった。
◾️引き継ぎは、ちゃんとやった
僕の仕事は、別の部署から異動してきた人に引き継いだ。
どの引き出しに書類をしまうかまで書き込んだマニュアルを作って、それを見ながら教えた。
でも、その人1人だけでは回らず、あの中途採用の人が「鋼材を加工場へ運ぶ作業」と「管理作業」を任されることになる。
僕はその人にも、きちんと引き継いだ。
鋼材を運ぶ時の注意点も、どれだけ運べばいいかの計算方法も、全部だ。
怒鳴られたことを根に持って、わざと雑に教えるようなことはしていない。(そこまで器用じゃない)
▶︎引き出しの場所まで書いたマニュアルでも伝わらなかった引き継ぎの話
◾️それでも、文句を言っていた頃より仕事量は増えていた
引き継ぎは丁寧にやった。
意地悪もしていない。
それでも、その人の仕事量は、僕に文句を言っていた頃より増えていた。
僕がいた頃
僕
事務鋼材の計算・発注配達梱包出荷(半分)中途採用の人
梱包出荷(半分)僕が辞めた日から
異動してきた人
事務鋼材の計算・発注配達中途採用の人
梱包出荷鋼材の運搬管理作業※仕事の割り振りは、僕が引き継いだ時点のもの。赤い仕事が、その人に戻っていった分。
僕がいた頃は、僕が抱えていたから見えなかった仕事がある。
僕がいなくなった瞬間、それは見える場所に出てきて、一番近くにいた人のところへ流れていった。
仕事は消えない。誰かのところへ移動するだけだ。
◾️因果応報じゃない。仕事を押し付ける人の末路は算数で来る
「仕事を押し付ける人には、いつか因果応報がある」と書いている記事は多い。
でも僕が見たのは、報いでも罰でもなかった。
もっと単純な、足し算と引き算だ。
- 仕事は消えない。誰かが抱えているだけ
- 抱えていた人が抜ければ、その分はそのまま残った人に戻る
- だから末路は「いつか」じゃなく、押し付けていた相手が辞めた日に来る
しかも押し付けていた本人は、それまで自分がどれだけ渡していたかを知らないまま、ある日いきなり全部を手元に戻されることになる。
神様が罰を当てるより、よっぽど確実な仕組みだと思う。
そして、押し付けられている側が辞めるのは、珍しい話じゃない。
📊 転職した人が、前の職場を辞めた理由(2024年)
| 辞めた理由 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.6% | 12.8%(前年から+1.7ポイント) |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 9.0% | 11.7% |
| 給料等収入が少なかった | 10.1% | 8.3% |
女性では「労働条件が悪かった」が、個人的な理由を除くと一番多い。前年からの伸びも、女性ではこの項目が一番大きかった。
押し付けが原因かどうかまでは、この調査では分からない。ただ、仕事の量や時間に耐えられなくなって辞める人は、ちゃんと数字に出るくらいいる。
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況(表5)
調査結果を見る(厚生労働省)
※「その他の個人的理由」「定年・契約期間の満了」など、表にない理由もある。
辞める人が出ればその人が抱えていた分は残った誰かに戻るので、押し付けていた人のところへ戻るのは時間の問題なのだ。
▶︎相手を選んで態度を変える人も、同じ落ち方をする|人を選んで挨拶する人の末路
第4章:仕事をしない人の末路|サボっていた先輩は「代わりのいない仕事」に回された
ここまでは、「仕事をしない人」に見えていた僕の話だった。
ここからは、本当に仕事をしていなかった人の話をする。
金属加工の会社を辞めたあと、僕は8台のフォークリフトが走り回る工場で働き始めた。
◾️「頑張りたくない」と言っていたフォークリフトの先輩
僕がフォークリフトに乗るより前に、その持ち場を担当していた先輩がいる。
先に言っておくと、その先輩は仕事ができない人じゃなかった。
本人がはっきり「頑張りたくない」と言っていたのだ。
そして言葉どおり、様子を見てサボりに行く。(ある意味、とても正直な人ではある)
◾️サボった分は消えずに、作業者の待ち時間になっていた
工場のフォークリフトの仕事は、ラインの作業者に材料を届けて、できたものを引き取ることだ。
フォークリフトが来なければ作業者は手を止めて待つしかないのだが、先輩の持ち場では、材料を待っている作業者をよく見かけた。
スマホを触っているところを見つかって、周りが愚痴をこぼしていたこともある。
作業者の間では、陰で「ワーストワン」と呼ばれていた。
先輩はたぶん、「自分がちょっと楽をしているだけ」のつもりだったと思う。
でも実際には、サボった分の時間は消えていない。ラインで待たされた作業者が、その分を払っていた。
形はサボりでも、中身は仕事の押し付けと同じなのだ。
◾️フォークリフトを降ろされ、代わりのいない一人作業へ
やがて先輩はフォークリフトから外されて、代わりに、それまで僕が1人でやっていた仕事が回ってきた。
その仕事には、代わりがいない。
休めば止まるし、手を止めればすぐに誰かが困るので、サボれる隙間がほとんどない。
僕が一通り教えて、そのあと僕がフォークリフトに移った。
つまり、先輩が降ろされた席に座ったのが僕だったわけだ。(そしてそこから、下手すぎる日々が始まる)
▶︎フォークリフトが下手すぎる僕が2年で20年選手より上手くなった結果
◾️自分から異動を願い出て、1年ほどで辞めた
慣れたフォークリフトを外されて、代わりのいない仕事を1人で抱えるのは、先輩にとって相当なストレスだったんだと思う。
先輩は常務に、別の県にある事業所への異動を願い出た。
異動先は体を使う現場で、サボれる空気のないところだったらしい。
1年ほどで先輩はそこも辞めて地元に戻ってきたらしく、地元の人が車ですれ違ったと言っていた。
僕が知っているのは、そこまでだ。
◾️仕事をしない人の末路は、慣れた仕事を失い、代わりのいない場所に置かれること
先輩はクビになったわけじゃない。
少なくとも僕が見た限り、仕事をしない人の末路はこういう順番だった。
- 慣れた仕事から外される
- 代わりのいない、サボれない場所に置かれる
- 環境が合わなければ、自分から辞める
「頑張りたくない」と言って守ろうとした楽さは、最後に一番楽じゃない形で戻ってきた。
ちなみに、管理する側も楽じゃなかったと思う。
サボる人を放っておけば作業者から不満が出るし、外せば外したで、空いた穴をどう埋めるかを考えないといけない。先輩を外す判断も、たぶん簡単じゃなかったはずだ。
◾️仕事を「しない」人と「できない」人は、末路が違った
もう1つ書いておきたいことがある。
僕がこれまでいた職場には、仕事がなかなかできない人もいた。
その人はサボっていたわけじゃないのに評価はされず、給料も上がらず、最後は「給料が上がらないから」と言って辞めていった。
| 仕事をしない人 | 仕事ができない人 | |
|---|---|---|
| サボっていたか | サボっていた | サボっていない |
| 何が起きたか | 慣れた仕事から外された | 評価されず、給料が上がらなかった |
| 最後 | 異動して、1年ほどで辞めた | 「給料が上がらないから」と辞めた |
どちらも会社を去ったけど、中身はまったく違う。
できない人の方は、責める話じゃないと思っている。
第3章の調査でも、転職した男性の約1割が「給料等収入が少なかった」を辞めた理由に挙げている。その人にも、たぶん合う場所が別にあったんだろう。
▶︎新人が辞めたのは教育者の自分のせいと感じる人へ|辞めさせた僕が変えたこと
第5章:仕事を押し付ける人と仕事をしない人の違いは「ツケを誰が払うか」
ここまで読んで、「じゃあ手を抜くのは全部ダメなのか」と思った人もいるかもしれない。
そんなことはない。
このブログは「頑張らない」をすすめているブログだし、僕も手を抜ける所はしっかり抜いている。
線を引くなら、ここだと思う。
| やっていること | ツケを払うのは | 僕が見た末路 | |
|---|---|---|---|
| 手を抜く | 自分の持ち場を、自分の段取りで軽くする | 本人(評価・給料) | 特に何も起きない |
| 仕事をしない | 手を止めて、周りを待たせる | 周りの人(待ち時間) | 代わりのいない仕事へ→退職 |
| 仕事を押し付ける | 仕事を減らさず、隣へ動かす | 隣の人(仕事量) | 相手が辞めた日に全部戻る |
違いは、手を抜いた分のツケを自分で払っているか、人に払わせているかだけだ。
◾️時給で働くなら、手を抜くのはむしろ自然なことだ
どれだけ頑張っても、時給は同じ。
そういう仕組みで働いているなら、手を抜くのは性格の問題じゃなく、仕組みに対する自然な反応だと僕は思っている。
実際、僕は金属加工の会社で2.5人分を抱えて仕事を効率化しても、昇給は年3,000円だった。
頑張っても頑張らなくても大して変わらないなら、頑張らない人が出てくるのは当たり前だと思う。
だから、仕事をしない人を「根性がない」「性格が悪い」と決めつけるのも、少し違う気がするのだ。
問題になるのは、手を抜いた分が誰かの時間や仕事量に化けた時だけだ。
◾️サボるなら、ツケを人に回さないサボり方を選ぶ
フォークリフトの先輩と、そのあとの僕は、同じ持ち場に立っていた。
ただ、ラインの材料がいつ切れるかを先に計算して、作業者が待つ前に持っていくようにしていた。
先回りしておけば、あとは自分のペースで動ける。
誰も待たせていない時間なら、少しくらいゆっくりしても誰も困らない。
これが、ツケを人に回さないサボり方だと思う。
▶︎フォークリフトが上手い人の特徴は操作じゃない|工場全体を上から見るように動く
🦥 そのサボり、ツケを誰かに回していない?(6問)
当てはまるものにチェックしてみて。人を責めるためじゃなく、自分の立ち位置を見るためのチェックだ。
第6章:仕事を押し付けられた時の対処法|言い返す代わりに量を減らした
じゃあ、いま仕事を押し付けられている側はどうすればいいのか。
先に言っておくと僕は「戦え」とは言わないし、相手は見えていないだけなので、言い返してもたぶん伝わらないと思っている。
◾️まず自分の仕事量を書き出して、見える形にする
押し付けてくる人が見えていないのは、あなたの仕事の量だ。
だから最初にやるのは、自分が抱えている仕事を全部書き出すこと。
第2章の表みたいに、「仕事の名前」と「それを誰が知っているか」を並べるだけでいい。
書き出してみると、自分でも驚くくらい、誰にも知られていない仕事が出てくると思う。
◾️僕は前任者のエクセルを作り替えて、仕事の量を減らした
僕の場合、言い争う代わりに手をつけたのは、定年退職した前任者から引き継いだ、無駄なことばかりしているエクセルだった。
それを作り替えて事務の時間を減らし、浮いた時間で梱包出荷にも手が回るようにした。
説明しても、見えていないものは見えるようにならない。
だったら、量そのものを減らしてしまう方が早い。(ナマケ者は、言い争うより手を抜く仕組みを作る方が得意なのだ)
◾️上司に相談するなら「気持ち」ではなく「量」で話す
それでも回らない時は、上司に相談していい。
その時は「あの人が押し付けてくる」と気持ちで話すより、書き出した仕事の一覧を見せた方が話が早い。
「この仕事は、前は2人でやっていました」
こういう一言なら、愚痴じゃなく事実として受け取ってもらいやすいのだ。
上司もまた、自分の持ち場しか見えていない1人かもしれないからだ。
◾️それでも回らないなら辞めていい。仕事は辞めた日に持ち主へ戻るだけだ
書き出しても減らしても相談しても変わらない職場なら、その時は辞めていいと思う。
「自分が辞めたら職場が回らなくなる」と心配する人ほど、限界まで抱え込んでしまう。
でも第3章で書いたとおり、あなたが辞めても仕事は消えない。
抱えていた分が、本来の持ち主のところへ戻っていくだけだ。
それは、あなたが背負う責任じゃない。
▶︎新しい職場で頑張りすぎる人の末路。「限界サイン」の見分け方と心を壊さない生存戦略
第7章:仕事をしない人でいたいなら、雇われない働き方しかないのかもしれない
最後に、「正直、自分も仕事をしたくない側なんだよな」という人に向けて書いておく。
その気持ちは、僕もよく分かる。(なにせナマケ者なので)
フォークリフトの先輩を見ていて思ったのは、会社に雇われている限り、しない分は必ず誰かに移り、最後は自分に戻ってくるということだ。
本気で仕事をしたくないなら、雇われるんじゃなく、自分で仕事をするしかないのかもしれない。
でも自分で始めたら軌道に乗るまでは誰よりも働くことになるし、人を雇えたとしても、優秀な人がいなければ結局は自分でやることになるだろう。
仕事から完全に逃げられる場所は、たぶんどこにもない。
だったら、ツケを人に回さないサボり方を覚えた方がいい。
先回りして段取りで時間を浮かせ、浮いた時間でゆっくりすれば、誰も待たせないし、誰にも押し付けずに済む。
▶︎頑張らないで生きたいならお金の勉強は最高の「サボり」準備
あとがき:仕事を押し付ける人も、仕事をしない人も、恨んではいない
ここまで読んでくれてありがとう。
怒鳴ってきた中途採用の人のことも、サボっていたフォークリフトの先輩のことも、僕は恨んでいない。
中途採用の人は見えていなかっただけだし、先輩は自分で選んだ働き方の結果を、自分で受け取っただけだ。
それに僕だって、旋盤を回していた頃は「見えていない側」にいた。
仕事は消えない。誰かのところへ移動するだけ。
それさえ知っていれば、押し付ける側にも、押し付けられて壊れる側にもならずに済むと思う。
もし今、誰かの分まで抱えて限界が近いなら、まずは自分の仕事を紙に書き出すところから始めてみてほしい。
見えるようになるだけで、少しだけ楽になるはずだ 🦥
📋 仕事を押し付ける人・仕事をしない人の末路についてよくある質問
仕事を押し付ける人の末路は、結局どうなりますか?
仕事をしない人の末路は、どうなりますか?
仕事を押し付ける人には、悪気があるんですか?
仕事を押し付ける人に因果応報はありますか?
「手を抜く人」と「仕事をしない人」と「押し付ける人」は、どう違いますか?
仕事をしない人にイライラします。どうすればいいですか?
仕事を押し付けられて限界です。辞めてもいいですか?
自分が仕事をしない人・押し付ける側になっていないか不安です
🦥 末路図鑑シリーズ
「あの人はこの先どうなるのか」を、心理学と実体験から書いています。気になるものからどうぞ。
💬 コメント・感想
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