【実録】暴言を吐く人の末路|「怒鳴っていい人リスト」から抜ける方法

「怒りっぽい人」という言葉がある。

でも本当にそうだろうか。

暴言を吐くあの人は、社長にも、取引先にも、同じ口調で怒鳴っているだろうか。

たぶん、怒鳴っていない。

つまり、こういうことだ。

暴言は「抑えられない」のではない。抑えなくていい相手が、選ばれているだけだ。

この記事では、僕が建設業で実際に見た「暴言を吐く人の末路」を書く。

現場を出禁になり、上から詰められ、最後は体を壊して入院した。

それでも、1週間で元に戻った。

暴言とは?「業務の指摘」と「人格の否定」の境界線

10秒でわかる定義

暴言とは、業務上の指摘を超えて、相手の人格や能力そのものを否定する言葉のこと。

厚生労働省が示すパワハラ6類型のうち「精神的な攻撃」にあたる。脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言が該当し、大勢の前での長時間の叱責も含まれる。
出典:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」/労働施策総合推進法(パワハラ防止法)

境界線は、「行為」を言っているか「人」を言っているかだ。

これは指摘これは暴言
▼ 業務について言っている
「この手順が間違っている」
「期限を過ぎている」
「ここを直してほしい」

直す対象が示されている。言われた側は次に何をすればいいか分かる。
▼ 人格・能力について言っている
「なんでそんな頭悪いんだ」
「言われたこともできんのか」
「使えないやつだな」

直しようがない。言われた側に残るのは、自分への評価だけ。
見分け方はひとつ。「明日から何をすればいいか」が分かるなら指摘。分からないなら暴言だ。
「頭が悪い」と言われて、明日から頭を良くすることはできない。

◾️暴言はパワハラの中で最も多い

感覚の話ではなく、数字がある。

📊 受けたパワハラの内容

半数が「暴言」を受けている

「精神的な攻撃」がパワハラの最多類型。
厚生労働省の実態調査では、パワハラを受けた人のうち49.4%が「精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)」を挙げている。次点の「過大な要求」33.3%を大きく引き離して1位だ。
つまりあなたが受けているものは、例外的な不運ではない。職場のハラスメントの、ど真ん中にあるものである。

出典:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」
(労働者調査・パワハラを受けた内容/複数回答)

【実録】暴言を吐く人の末路|出禁・詰められる・入院

ここからが本題だ。

僕が建設業で働いていたときの話。うちは4次請で、その人は2次請だった。立場としては、こちらより上になる。

その人は毎日、自分の部下に暴言を吐いていた。

「なんでそんな頭悪いんだ!」
「言われたこともできんのか!」

現場に響く声だった。

末路 ①現場監督に出禁にされた

まず起きたのがこれだ。

暴言は本人が思っている以上に響く。部下だけでなく、現場にいる全員の耳に入っている。

そして現場監督から、出入り禁止を言い渡された。

誰かが告発したわけでもない。ただ「この人は現場に入れられない」と判断されただけだ。

暴言を吐く人の末路で最も早く来るのは、居場所そのものを外から閉じられることだと思う。

末路 ②上司と取引先から詰められた

次に、上司と取引先から詰められたと聞いた。

当然だ。出禁になれば仕事が回らない。会社に損害が出る。

ここで本人が変わったかというと、変わらなかった。言っていたのはこれだ。

「あいつが仕事できんけ悪いんやん」

反省していない。

心理学でいう自己奉仕バイアスそのものだ。うまくいかない原因を、自分ではなく他人に置く。

だから同じことを繰り返す。改善につながらない。

▶︎自己奉仕バイアスについてはこちらで詳しく書いた

末路 ③自分が体を壊して入院した

そして3つ目が、一番きつい末路だ。

毎日怒鳴っていれば、当然本人にもストレスが溜まる。

その人は暴飲暴食をするようになり、体を壊して入院した。

暴言は、吐いている本人の体も削っていた。

入院中は後輩が仕事を肩代わりした。復帰したとき、その人は申し訳なさそうにしていた。

このときは、正直「変わるかもしれない」と思った。

◾️それでも、1週間で元に戻った

結論から言うと、変わらなかった。

1週間もしないうちに、また暴言を吐いていた。

ここが、この記事で一番書いておきたいところだ。

暴言を吐く人の末路を調べている人が本当に知りたいのは、たぶん「あの人はいつか変わるのか?」だと思う。

僕が見た答えはこうだ。

一度は反省する。でも戻る。

出禁になっても、詰められても、入院しても戻った。

だから「反省させれば変わる」という前提は、いったん外したほうがいいと思っている。

暴言は「抑えられない」のではない|怒鳴っていい人リスト

ここからが、この記事の核心だ。

暴言を扱った記事はたくさんあるが、そのほとんどがこう書いている。

暴言を吐く人は感情のコントロールが苦手で、イライラを抑えられない。

僕は、これは違うと思っている。

◾️職人に怒鳴り返された翌日から、その人は変わった

現場には、うちの会社とは関係のない職人さんたちもいる。

その2次請の人の暴言は、たまたま彼らの耳にも入り続けていた。

あるとき、限界に達した職人さんがこう言った。

「うるせぇ!」

それだけだ。

そしてその後、別の現場で会ったときには、その職人さんにペコペコしていた。

抑えられていた。ちゃんと。

◾️頭の中にある「怒鳴っていい人リスト」

整理するとこうなる。

🗒️ その人の「怒鳴っていい人リスト」

部下怒鳴る立場が下。逃げられない
職人怒鳴らない他社。怒鳴り返された
現場監督怒鳴らない出禁にできる立場
上司怒鳴らない評価される側
取引先怒鳴らない仕事を失う

同じ人が、相手によってきれいに態度を変えている。

感情を抑えられないなら、こんな器用なことはできない。

この記事の結論

暴言を吐く人の頭の中には、無意識の「怒鳴っていい人リスト」がある。抑える必要がある相手には、ちゃんと抑えられる。

つまり暴言は、能力の問題ではなく選択である。「あの人は感情的な人だ」ではなく、「自分が選ばれている」というのが実態に近い。

これが分かると、意味がひっくり返る。

あなたが我慢しているのは、相手が我慢できないからではない。

相手が、あなたには我慢しなくていいと判断しているからだ。

◾️一度受け入れると、ハードルが下がる

ではどうやってリストに載るのか。

僕が見た限り、条件はひとつだった。

一度、暴言を受け入れてしまうこと。

黙って受け止めた瞬間、相手の中で「こいつには言ってもいい」というハードルが下がる。

そして2回目からは、もう迷わない。

◾️そもそも「部下」という立場でリスト入りしている可能性

もうひとつ、気づいたことがある。

その人は入院から戻ったあと、次に入ってきた部下にも同じように暴言を吐いていた。

相手が変わっても、態度は変わらなかった。

ということは、リストに載る条件は個人ではなく役割なのかもしれない。

この人は「部下という立場の人間には、怒鳴っていい」と思っている。

だとすると、あなたが選ばれたのは、あなたに何か問題があったからではない。

その席に座っていたからだ。

暴言を止めた一言|静かに「どういうこと?」と返す

対処法の話をする。

実は僕も一度、その人に何か言われたことがある。

そのとき僕がやったのは、これだけだ。

静かに「どういうこと?」と返す

それ以降、僕には何も言ってこなくなった。

◾️なぜこの一言が効くのか

暴言は、相手が動揺することで成立する。

怯えても、言い返しても、どちらでも「効いた」という手応えになる。

静かに意味を問い返すと、その手応えだけが返ってこない。

しかも、こちらは何も悪いことをしていない。

反撃していないので、次の口実を与えない。感情も使わないので、消耗しない。

1声を大きくしない

大きくすると「言い返した」になり、相手に手応えを与える。

できるだけ平坦に、業務連絡の温度で。

2表情を変えない

怯えた顔も、怒った顔も、どちらも燃料になる。

無表情がいちばん強い。

3答えを待つ

沈黙を自分から埋めない。

「頭が悪い」の説明を求められて、まともに答えられる人はいない。説明できないことを、本人に気づかせるのがこの一言の役割だ。

◾️ただし、効かない場合がある(重要)

ここは正直に書いておきたい。

同じ現場で、その人の部下も我慢の限界で言い返していた。

でも、上司の態度は変わらなかった。

僕には効いて、部下には効かなかった。違いはこれだと思う。

僕の場合(効いた)部下の場合(効かなかった)
▼ リストに載る前別会社(4次請)の人間で、日常的に怒鳴られる関係ではなかった。

まだ「怒鳴っていい人」に認定されていなかった。

だから最初の一回で止まった。
▼ すでにリストに載っていた毎日怒鳴られ続けたあとで、限界が来てから言い返した。

すでに認定が済んでいた。

一度載ると、よほどのことがない限り外れない。
つまり「最初の一回」が全てだ。
まだ言われていない、あるいは1〜2回目なら、この返しで止まる可能性が高い。
すでに何ヶ月も続いているなら、言い返しても関係は変わらない前提で動いたほうがいい。

職人さんに効いたのは、立場が対等以上で、しかもその場で返したからだと思う。

時間が経つほど、この一言の効果は落ちていく。

⚠️ やってはいけない3つ

①笑ってごまかす。その場は収まるが、受け入れたことになる。リストに載る一番よくある入り口。

②感情的に言い返す。手応えを与えるだけでなく、こちらが加害者に仕立てられるリスクがある。

③周りに愚痴だけ言って終わる。気は晴れるが、状況は1ミリも動かない。記録に残す形にしたほうがいい。

◾️すでに何ヶ月も続いている人へ

もう認定が済んでいる場合、やることは変わる。

日時・場所・言われた内容・その場にいた人を、その日のうちにスマホのメモに残す。

やり取りをチャットやメールに寄せる。口頭だと「言った・言わない」にされる。

そして、次の章の話になる。

ただし──暴言を吐く人に、必ず報いが来るとは限らない

ここまで「末路」を書いてきて、都合の悪いことも書いておきたい。

物流倉庫で働いていたときの話だ。

仕事が合わなかったのか、係長にもリーダーにも毎日怒られている人がいた。

その人は、職場を去った。

では怒鳴っていた側はどうなったか。

係長は数年後、何事もなく定年を迎えた。
リーダーは別部署に移り、係長に昇進していた。

少なくとも僕が見ていた範囲では、何も起きなかった。

◾️「まだ来ていないだけ」かもしれない、が

もちろん、先のことは分からない。

今日の記事の1人目のように、あとから体を壊すこともある。人生は長い。

ただ、それを待っているあいだ、削られるのはあなたの時間だ。

この記事で一番伝えたいこと

暴言を吐く人が必ず自滅するとは限らない。だから「いつか報いが来る」と待つのは、賭けにしかならない。

相手の末路を待つのではなく、あなたが先に離れていい。それは逃げではなく、賭けを降りるという判断だ。

暴言は、我慢して耐える範囲の話ではない。

眠れない、朝がつらい、仕事に行けない。そこまで来ているなら、我慢の限界はとっくに過ぎている。

▶︎パワハラを相談しても解決しなかった時に取るべき行動

▶︎自力で辞められない時の選択肢(退職代行の解説)

もしあなたが「言ってしまう側」かもしれないなら

ここまで読んで、少し胸が痛くなった人もいるかもしれない。

だから最後に、こちら側にも書いておく。

相手によって口調が変わっていないか。

取引先には穏やかで、部下にだけ強く出ているなら、それは感情の問題ではない。今日書いてきたとおり、選択だ。

「言われたこともできんのか」は指摘ではない。直しようがないので、相手には何も残らない。

そして今日の1人目のように、怒鳴り続けると自分の体も壊れる。

一度謝っても1週間で戻るなら、それは反省ではなく、その場をしのいだだけだ。

僕も昔、教育係を任されたとき、自分の基準を押しつけて何人も辞めさせた。だから他人事として書いていない。

▶︎部下や後輩の指導で悩んでいる人はこちら

📞 相談できる窓口

  • 社内のハラスメント相談窓口(設置は事業主の義務)
  • 総合労働相談コーナー(全国379か所・各労働局や労基署内/無料)
  • みんなの人権110番(法務省/0570-003-110)
  • こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)
  • 社内になければ、地域のユニオン(労働組合)も使える

暴言を吐く人の末路について|よくある質問

暴言を吐く人の末路はどうなりますか?
実際にあったケースでは、現場を出入り禁止にされ、上司と取引先から詰められ、最後はストレスによる暴飲暴食で体を壊して入院しました。周囲から居場所を閉じられることが最も早く訪れます。ただし後述のとおり、何事もなく定年を迎える人や昇進する人もいるため、必ず報いが来るとは限りません。
どこからが暴言で、どこまでが指摘ですか?
「明日から何をすればいいか」が分かるなら指摘、分からないなら暴言です。「この手順が間違っている」は直す対象が示されていますが、「なんでそんな頭悪いんだ」は直しようがありません。厚生労働省のパワハラ6類型では、脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言が「精神的な攻撃」に該当します。
なぜ暴言を吐く人は、相手によって態度を変えるのですか?
無意識の「怒鳴っていい人リスト」があるからです。この記事で紹介した人は、部下には毎日怒鳴る一方で、職人・現場監督・上司・取引先には怒鳴りませんでした。感情を抑えられないのであれば、これほど器用な使い分けはできません。つまり能力の問題ではなく、選択です。
暴言を吐かれたとき、どう返せばいいですか?
静かに「どういうこと?」と問い返すのがおすすめです。暴言は相手が動揺することで成立するため、怯えても言い返しても手応えを与えてしまいます。声を大きくせず、表情を変えず、答えを待つ。この3つを守ると、相手は説明できずに黙ることが多いです。
言い返せば暴言は止まりますか?
タイミング次第です。まだ言われ始めたばかりなら止まる可能性が高いですが、すでに何ヶ月も続いている場合は難しいです。記事で紹介したケースでは止まりましたが、毎日怒鳴られ続けた部下が限界で言い返したときは、上司の態度は変わりませんでした。一度「怒鳴っていい相手」と認定されると、よほどのことがない限り外れません。
暴言を吐く人は反省すれば変わりますか?
一度は反省しますが、戻る可能性が高いです。記事の人物は入院中に後輩へ仕事を肩代わりしてもらい、復帰時は申し訳なさそうにしていましたが、1週間もしないうちにまた暴言を吐いていました。しかも次に入ってきた部下にも同じように接していたため、相手ではなく「部下という立場」に対して怒鳴っていた可能性があります。
暴言を吐く人に、必ず報いは来ますか?
限りません。別の職場で見たケースでは、毎日部下を怒鳴っていた係長が何事もなく定年を迎え、もう一人は別部署で昇進していました。長い目で見れば分からない部分はありますが、それを待っているあいだに削られるのはあなたの時間です。相手の末路を待つより、先に離れる判断をおすすめします。
暴言はパワハラになりますか?
3つの要素を満たせば該当します。厚生労働省の定義では、①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、③労働者の就業環境が害されるもの、のすべてを満たす必要があります。人格を否定する言葉や、大勢の前での長時間の叱責は「精神的な攻撃」として問題になり得ます。

あとがき:あなたが選ばれたのは、弱いからではない

暴言を吐かれ続けていると、だんだんこう思えてくる。

自分がなめられているんじゃないか。自分が弱いからじゃないか。

そんなことはない。

今日書いてきたとおり、その人は怒鳴っていい相手と、そうでない相手を、きっちり分けていた。

あなたが選ばれたのは、あなたに問題があったからではなく、その席に座っていたからだ。

そして相手は、たぶん変わらない。

出禁になっても、入院しても、1週間で戻る人を僕は見た。

だから、変えようとしなくていい。分からせようとしなくてもいい。

まだ言われ始めたばかりなら、次の一回を、静かに問い返してみてほしい。

もう長く続いているなら、記録を残して、離れる準備をしてほしい。

報いを待つ必要はない。あなたの時間のほうが、ずっと価値がある。

今日も、怒鳴り声の届かないところで、のんびり過ごせますように🦥

ナマケ者

ナマケ者

ゆる哲学の布教者/個人事業主

5歳で父を過労死で亡くし、HSP気質のまま働き続けた結果、ストレスが限界を超えて諭旨解雇。半年の引きこもりを経て今に至ります。毎日通っていたパチンコは7年近く行っていません。統計や法律は一次資料で確認して書いています。

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