- 「また文句言ってる…」
- 「聞いてるだけで、こっちまで疲れてくる」
職場に文句ばかり言う人がいると、自分は何もしていないのに、一日の終わりにはぐったりしている。
その疲れは、あなたの心が狭いからじゃない。
文句ばかり言う人の末路は「人が離れていくこと」だと、よく言われる。
でも僕が見てきたのは、それだけじゃなかった。
最初に期待を高く見積もって、少しずつ減点して、辞める。
それを場所を変えて何度も繰り返していくのが、僕の元親友がたどった末路だ。
この記事は、文句を言う人を笑うための記事じゃない。僕が飲みに出るきっかけになった元親友が、6つの職場を辞めていくのを近くで見てきた話と、周りが巻き込まれないための話だ。
職場の文句ばかり言う人に疲れているなら第5章まで、自分も文句が増えてきたかもと思ったら第6章へどうぞ。
ただ、この話には続きがある。
6つの職場を辞めた元親友が、最後に手放したものは何だったと思うだろうか?
もくじ(タップで開閉)
- 第1章:文句ばかり言う人の末路は「人が離れる」だけじゃない
- ◾️よく言われる「人が離れていく」末路は当たっている
- ◾️僕の元親友は、6つの職場を辞めた
- ◾️周りは文句ばかり言う人を励ますより、黙って離れていく
- ◾️もうひとつの末路は、場所を変えても同じことを繰り返すこと
- 第2章:文句ばかり言う人の特徴は「最初の期待が高く、少しずつ減点していく」こと
- ◾️ほとんどの職場で、最初は「いい」と言っていた
- ◾️「給料がいい」が「こんなことをしたかったわけじゃない」に変わるまで
- ◾️楽しい理由が、仕事の外にあった
- ◾️1つ目と同じ敷地の工場に戻っても、同じ文句が出た
- ◾️夢だったカメラの仕事に就いても、減点は止まらなかった
- ◾️期待と現実の差が大きいほど、満足できずに辞めやすい
- 第3章:文句ばかり言う人の心理|転職した直後が一番満足していて、そこから下がる
- ◾️転職した直後は満足度が上がり、しばらくすると下がる
- ◾️元親友の「最初は楽しい」は、誰にでも起きる上がり方だった
- ◾️文句には「気持ちを吐き出すため」と「何かを変えるため」がある
- ◾️元親友の文句は、何も変えないまま積み重なっていった
- ◾️「親のせい」「上司のせい」と言い続けると、自分が変えられる場所がなくなる
- 第4章:文句ばかり言う人の末路|誕生日の夜、元親友は「縁切る」と出ていった
- ◾️カメラを売った頃は、ほとんど会っていなかった
- ◾️誕生日の夜、「縁切る」と出ていった元親友の会計を2回払った
- ◾️「ジーパン買ったからお金ない」で、僕は離れると決めた
- ◾️雑に扱われだしたら、それは仲間じゃない
- 第5章:職場の文句ばかり言う人への対処法|巻き込まれないために
- ◾️同調しない。でも、否定もしない
- ◾️不機嫌はうつるので、距離を置いていい
- ◾️「で、どうしたい?」と一度だけ聞いてみる
- ◾️相手の分まで、仕事やお金を肩代わりし続けない
- ◾️それでも毎日すり減っているなら、先に自分の消耗度を確かめる
- 第6章:自分が文句ばかり言う人になっていたら|環境を変える前に聞きたいこと
- ◾️合わない場所なら、辞めていい
- ◾️ただ、環境を変えても自分が変わらなければ、同じことを繰り返すことがある
- ◾️文句を言う前に「この状況を変えるために、自分には何ができるか」と聞いてみる
- ◾️次の職場に、期待を盛りすぎない
- ◾️自分の型を知っておくと、期待を現実に寄せやすい
- あとがき:文句ばかり言う人から離れても、薄情じゃない
第1章:文句ばかり言う人の末路は「人が離れる」だけじゃない
◾️よく言われる「人が離れていく」末路は当たっている
信用を失う、人が離れていく、評価が下がる。
文句ばかり言う人の末路として、よく挙げられるのはこの3つだ。
検索して出てくる答えも、AIに聞いて返ってくる答えも、だいたいここに落ち着く。
これは当たっていると僕も思う。
会うたびに文句を聞かされて、それでもそばにいたいと思える人は、そう多くないからだ。
◾️僕の元親友は、6つの職場を辞めた
僕には、中学時代に仲がよかった友人がいる。
成人式で再会して、そこから一緒に飲みに出るようになった。
(僕が飲みに出るようになったきっかけはこの友人で、その頃の話は「貯金をしない人の末路」に書いた)
高校を卒業してから、彼は6つの職場を辞めている。
そして、どの職場にも同じ流れがあった。
最初は機嫌よく働いていて、しばらくすると文句が増え、辞める。
📉 元親友が辞めた6つの職場
最初の一言 → 出てきた文句(辞めるまでの長さ)
- 1工場(高校を卒業して入社)約4年
最初:「給料がいい」
→「本当はこんなことをしたかったわけじゃない」「係長にイジられるのが嫌」
- 2服屋の販売員約2年
最初:「好きな人が一緒に働いてるから楽しい」
→「客にイジられるのが嫌」、上司の文句
- 3コールセンター(派遣)約1年
最初:「仕事が楽しい」
→「給料が安い」
- 4工場(派遣・1つ目と同じ敷地)約1年
最初:気にしている様子もない
→「派遣の人が昼休みに来るから鬱陶しい」「前の同僚と顔を合わせるのが、やっぱり嫌」
- 5飲料のルート配送約1年
最初:「働きやすい」
→ 仕事で事故を起こしてから、上司・同僚・恋人への文句
- 6遠くにある映像の会社約1年
最初:「これでしたいことができる」
→「全然カメラを使った仕事ができない」「休みは動く気にならない」
辞めるまでの長さ:約4年 → 約2年 → 約1年 → 約1年 → 約1年 → 約1年
4年、2年、1年、1年、1年、1年。
並べてみると、辞めるまでの時間がどんどん短くなっていく。
(本人に見せたら怒られそうだけど、事実だけを並べるとこうなる)
◾️周りは文句ばかり言う人を励ますより、黙って離れていく
「人が離れていく」には、研究の裏付けもある。
チームを悪くする人について、たくさんの研究をまとめた論文によると、いつも否定的な気分や態度を出し続ける人は、周りから励まされるより、遠ざけられやすい。
励まそうにも、どう気分を上げればいいのか、周りには分からないからだ。
僕も、最後は離れた側の一人だった。
その夜の話は、第4章で書く。
🔬 いつも否定的な人は、励まされるより遠ざけられやすい
チームを悪くするメンバーを「努力しない」「いつも否定的な気分や態度を出す」「大事な人間関係のルールを破る」の3つに分けて、まわりへの影響をまとめた論文。いつも否定的な人に対しては、まわりは気分を上げようとするより、遠ざけることが多いとされている。
出典:Felps, W., Mitchell, T. R., & Byington, E. (2006). How, when, and why bad apples spoil the barrel: Negative group members and dysfunctional groups. Research in Organizational Behavior, 27, 175–222.
◾️もうひとつの末路は、場所を変えても同じことを繰り返すこと
もうひとつ、上位の記事がほとんど書いていない末路がある。
場所を変えても、同じことを繰り返すことだ。
アメリカの若い働き手を長い年月追いかけた研究では、それまでに仕事を辞めた回数が多い人ほど、また辞めやすいという結果が出ている。
よりよい条件があるわけでもないのに、職場を転々とする人がいる。
50年以上前から言われてきたこの説を、実際のデータで確かめた研究だ。
誤解してほしくないのは、辞めた回数が多いこと自体が悪いわけじゃないということ。
合わない職場なら、辞めていいと僕は思っている。
ただ元親友の場合は、職場が変わっても、文句の中身がほとんど変わらなかった。
🔬 辞めた回数が多い人ほど、また辞めやすい
「よりよい条件がなくても、職場を転々とする人がいる」という1974年に唱えられた説を、アメリカの若い働き手を長く追いかけたデータで確かめた研究。それまでに辞めた回数によって、次に辞めるかどうかが変わるという結果だった。
出典:Judge, T. A., & Watanabe, S. (1995). Is the past prologue?: A test of Ghiselli's hobo syndrome. Journal of Management, 21(2), 211–229.
第2章:文句ばかり言う人の特徴は「最初の期待が高く、少しずつ減点していく」こと
◾️ほとんどの職場で、最初は「いい」と言っていた
元親友を見ていて、一番不思議だったのはここだ。
彼は、ほとんどの職場を最初は本気で気に入っていた。
文句ばかり言う人というと、最初から不満だらけの人を思い浮かべるかもしれない。
でも彼の場合、文句はいつも、機嫌よく働いていた時期のあとに来る。
期待が高かった分だけ、減点も大きくなっていった。
◾️「給料がいい」が「こんなことをしたかったわけじゃない」に変わるまで
1つ目は、高校を卒業して入った工場だ。
交替勤務で残業も多く、20歳で手取り25万円くらい稼いでいたらしい。
(手取り15万円くらいだった僕からすると、うらやましい給料だった)
最初は「給料がいい」と喜んでいた。
それが少し働くと、「本当は専門学校に行きたかった。こんなことをしたかったわけじゃない」と、親への文句に変わっていく。
そこに「係長にイジられるのが嫌」が加わって、4年くらいで辞めた。
◾️楽しい理由が、仕事の外にあった
2つ目は服屋の販売員。
最初は「好きな人が一緒に働いてるから楽しい」「上司が感覚を理解してくれる」と、本当に楽しそうだった。
それが2年くらいたつと「客にイジられるのが嫌」になり、上司の文句も増えて、辞める。
3つ目は、派遣で入ったコールセンターだ。
職場で恋人ができて、「仕事が楽しい」と言っていた。
1年くらいで「給料が安い」が始まり、そのまま辞めてしまう。
そのあとの職場でも、だいたい同じだった。
楽しい理由が、いつも仕事の外にある。
その理由が薄れた時に、仕事の嫌なところだけが残って見えていたんだと思う。
◾️1つ目と同じ敷地の工場に戻っても、同じ文句が出た
4つ目は、派遣で入った工場だった。
驚いたのは、そこが高校を卒業して入った工場と、同じ敷地の中にあったことだ。
昔の同僚や上司と顔を合わせることもあったはずなのに、最初は気にしている様子もない。
1年くらいたつと、「派遣の人が昼休みに来るから鬱陶しい」「前の同僚と顔を合わせるのが、やっぱり嫌」。
そして、また辞めた。
一度離れた場所の近くに自分から戻って、同じような理由でまた離れていく。
◾️夢だったカメラの仕事に就いても、減点は止まらなかった
5つ目の飲料のルート配送も、最初は「働きやすい」と言っていた。
けれど仕事で事故を起こしてから、上司や同僚、恋人への文句が増えていき、1年くらいで辞めている。
その頃、彼はカメラに夢中になっていた。
数十万円のカメラを借金して買い、「カメラマンになりたい」と言い始める。
6つ目は、遠くにある映像の会社だ。
「将来はカメラマンになりたい」と伝えて入った会社だった。
最初は「これでしたいことができる」「仕事は仕事でしないとだけど、社長が休みの日にでも写真を撮ってきてくれたら何かに使えるかもって言ってくれてる」と、ウキウキしていた。
ところが1年くらいたつと、「全然カメラを使った仕事ができない」「休みは動く気にならない」。
6つ目の職場も、そうやって辞めた。
夢だった仕事に就いても、減点は止まらなかったのだ。
◾️期待と現実の差が大きいほど、満足できずに辞めやすい
元親友の話は、極端に聞こえるかもしれない。
でも「期待と現実の差」が人を辞めさせることは、研究でもはっきりしている。
新しく入った人の「期待が満たされたかどうか」を調べた研究31本、1万7千人あまりをまとめた分析がある。
期待が満たされていると感じている人ほど仕事に満足していて、辞めたい気持ちも弱く、実際に会社に残りやすかった。
期待するのが悪いわけじゃない。
新しい職場に入る時は、誰だって何かを期待する。
差がついたのは、期待と現実がずれた時に、そのずれをどう扱ったかだったと思う。
🔬 期待が満たされている人ほど、満足して長く続く
新しく入った人の「期待が満たされたか」について、研究31本・17,241人分をまとめた分析。期待が満たされていると感じている人ほど、仕事への満足や会社への愛着が強く、辞めたい気持ちが弱く、実際に会社に残りやすかった。
出典:Wanous, J. P., Poland, T. D., Premack, S. L., & Davis, K. S. (1992). The effects of met expectations on newcomer attitudes and behaviors: A review and meta-analysis. Journal of Applied Psychology, 77(3), 288–297.
第3章:文句ばかり言う人の心理|転職した直後が一番満足していて、そこから下がる
◾️転職した直後は満足度が上がり、しばらくすると下がる
新しい職場に入った直後は、何もかもが新鮮に見える。
RPGで新しい町に着いた時が、一番ワクワクするのと同じだ。
でも同じ店に何度も入り、同じ村人のセリフを何回も聞くうちに、そのワクワクは消えていく。
これは気のせいじゃない。
自分から職場を変えた管理職の人たちの満足度を、転職の前後で追いかけた研究がある。
転職する前は満足度が低く、転職した直後に上がり、しばらくするとまた下がっていた。
研究者はこれを「ハネムーン・ハングオーバー効果」と呼んでいる。
新婚の時期(ハネムーン)のあとに、二日酔い(ハングオーバー)が来るという意味だ。
(なかなか身もふたもない名前だと思う)
🔬 転職した直後に上がった満足度は、しばらくすると下がる
自分から職場を変えた管理職の人たちの満足度を、転職の前後で追いかけた研究。転職する前は満足度が低く、転職した直後に上がり(ハネムーン)、そのあとに下がる(ハングオーバー)という流れが確かめられた。
出典:Boswell, W. R., Boudreau, J. W., & Tichy, J. (2005). The relationship between employee job change and job satisfaction: The honeymoon-hangover effect. Journal of Applied Psychology, 90(5), 882–892.
◾️元親友の「最初は楽しい」は、誰にでも起きる上がり方だった
つまり、元親友が最初に「いい」と言っていたのは、彼が特別に浮かれやすかったからじゃない。
新しい職場に入った人の多くに起きる、ふつうの上がり方だ。
違ったのは、下がり始めた時の過ごし方だった。
満足度が下がるのは、職場が悪くなったからとは限らない。
最初に上がった分が、元に戻っているだけのこともある。
それを毎回「裏切られた」と受け取ると、減点が止まらなくなる。
◾️文句には「気持ちを吐き出すため」と「何かを変えるため」がある
文句を言うこと自体は、悪いことじゃない。
文句について調べた研究のまとめでは、文句を「不満を表すこと」と定義したうえで、その目的を「気持ちを吐き出すため」と「何かを得るため」に分けている。
吐き出すだけで楽になることもあるし、文句がきっかけで職場がよくなることもある。
🔬 文句は「吐き出すため」か「何かを得るため」に言う
文句についての研究をまとめた論文。文句を「不満を表すこと」と定義し、その目的を、気持ちを吐き出すためと、自分の中や人との関係で何かを得るためとに分けている。
出典:Kowalski, R. M. (1996). Complaints and complaining: Functions, antecedents, and consequences. Psychological Bulletin, 119(2), 179–196.
◾️元親友の文句は、何も変えないまま積み重なっていった
ただ、僕が聞いていた元親友の文句は、どれも辞める理由にはなっても、何かを変える話にはならなかった。
文句を言って、しばらくしてから辞める。
その繰り返しだ。
◾️「親のせい」「上司のせい」と言い続けると、自分が変えられる場所がなくなる
カメラの借金が払えなくなった時、代わりに払ったのは彼の親だった。
それでも彼の口から出たのは、感謝ではない。
「俺は専門学校に行きたいって言ったけど、行かせてくれんやったやん」
他責思考も、時には必要だと僕は思う。
全部を自分のせいにしていたら、心がもたないからだ。
ただ、全部を人のせいにしてしまうと、自分が変えられる場所が一つもなくなる。
第4章:文句ばかり言う人の末路|誕生日の夜、元親友は「縁切る」と出ていった
◾️カメラを売った頃は、ほとんど会っていなかった
6つ目の職場を辞めたあと、彼は実家にも帰れず、仕事もしない日が続いた。
そして、夢だったはずのカメラも売っている。
その頃、僕は彼とほとんど会っていなかった。
お金がないのは分かっていたし、僕にもそんなに余裕があったわけじゃない。
◾️誕生日の夜、「縁切る」と出ていった元親友の会計を2回払った
久しぶりに一緒に飲んだのは、僕の誕生日だった。
居酒屋で「人にたかるようなことは、やめた方がいいよ」と注意すると、彼は「もういい!縁切る!」と言って、店を飛び出していった。
会計は、もちろん僕が払う。(誕生日なのにね)
店を出ると、スナックをやっている知り合いから電話が来た。
「お金ないし寝るとこないって言ってるけど、どうにかして…」
スナックに向かって、数分前に縁を切られたはずの元親友の会計を済ませる。
家に泊めると、彼は「やっぱ親友だ」と言った。
「明日給料入るから返すね」とも言っているが、僕はとりあえず聞き流す。
翌日、別の友人が「ラーメン食べに行こう」と迎えに来てくれたけど、そんな気分になれずに送り出した。
夜になって、電話が鳴る。
「居酒屋にいるからおいで」
◾️「ジーパン買ったからお金ない」で、僕は離れると決めた
一緒に飲む気にはなれず、彼が僕の家に残していった荷物だけを持って、居酒屋に向かった。
そこで彼は、こう言った。
「ジーパン買ったからお金ない」
◾️雑に扱われだしたら、それは仲間じゃない
今までどれだけ大事に想っていても、雑に扱われだしたら、それは仲間じゃない。
あの夜、僕はそう思った。
(この夜のことは、当時Xにも書いた)
人づてに聞いた話では、彼はその後も、世話になった先で同じような文句を言って出ていったらしい。
文句ばかり言う人の末路は、人が離れていくことだけじゃない。
場所を変えても、まわりの人が変わっても、同じことが繰り返されていくことだった。
第5章:職場の文句ばかり言う人への対処法|巻き込まれないために
ここからは、職場で文句ばかり言う人に疲れているあなたに向けて書く。
相手を変えるのは難しいけど、巻き込まれないようにすることはできる。
◾️同調しない。でも、否定もしない
「分かる、ひどいよね」と乗ると、次から文句の聞き役に指名されやすい。
かといって「そんなこと言うなよ」と否定すると、今度はあなたが文句の的になりかねない。
一番すり減らないのは、「そうなんだ」で受け流すことだ。
◾️不機嫌はうつるので、距離を置いていい
文句ばかり聞いていると疲れるのには、ちゃんと理由がある。
訓練した仕掛け人がいろいろな気分を演じながら話し合いに加わる実験では、その気分がグループのメンバーにうつっていった。
明るい気分でも暗い気分でも、うつり方に差はない。
そして前向きな気分がうつったグループほど、協力が増えて、ぶつかり合いが減っていた。
つまり、あなたが疲れるのは心が狭いからじゃない。
相手の気分が、うつっているだけだ。
休憩の時間を少しずらす、必要な話だけで切り上げる、それくらいの距離で十分だと思う。
🔬 気分はグループの中でうつる
訓練した仕掛け人が、明るい・暗いなどの気分を演じながら話し合いに加わった実験。気分はグループのメンバーにうつり、明るさや勢いによるうつり方の差は見られなかった。前向きな気分がうつったグループは、協力が増え、ぶつかり合いが減っていた。
出典:Barsade, S. G. (2002). The ripple effect: Emotional contagion and its influence on group behavior. Administrative Science Quarterly, 47(4), 644–675.
◾️「で、どうしたい?」と一度だけ聞いてみる
相手の文句が「吐き出す文句」なのか「変えるための文句」なのかは、一度聞いてみると分かる。
「で、どうしたい?」
ここで何か答えが返ってくるなら、一緒に考える余地がある。
返ってこないなら吐き出したいだけなので、聞き流して大丈夫だ。
◾️相手の分まで、仕事やお金を肩代わりし続けない
あの夜、僕は会計を2回払った。
払うほど、払ってもらうことが当たり前に近づいていく気がした。
職場でも同じで、文句ばかり言う人の仕事を黙って引き受け続けると、それが当たり前になっていく。
助けるのは、自分がすり減らない範囲までにしてほしい。
◾️それでも毎日すり減っているなら、先に自分の消耗度を確かめる
相手の文句は止められない。
でも、文句をうつされ続けて自分がどれだけすり減っているかは、2分で確かめられる。
第6章:自分が文句ばかり言う人になっていたら|環境を変える前に聞きたいこと
ここは、読みながら「自分も文句が増えてきたかも」と思った人に向けて書く。
無理に変わらなくていい。
ただ、知っておくと少し楽になることがある。
◾️合わない場所なら、辞めていい
働いてみないと分からないことは、確かにある。
合わない環境で壊されるくらいなら、辞めてしまった方がいいと僕は思う。
文句が増えたのは、本当に職場がおかしいからかもしれない。
◾️ただ、環境を変えても自分が変わらなければ、同じことを繰り返すことがある
ただ、環境を変えても自分が変わらなければ、似たことを繰り返すこともある。
元親友は、前の職場のすぐ近くでまた働いたり、カメラマンになりたいと夢を語りながら、休日やお酒を手放さなかったりした。
未来を変えるための想像が、できていなかったのだと思う。
◾️文句を言う前に「この状況を変えるために、自分には何ができるか」と聞いてみる
文句を言い続ける前に、自分に一度だけ聞いてみてほしい。
「この状況を変えるために、自分には何ができるか?」
答えは大きくなくていい。
変えたいことを1つ書き出すだけでも、文句は「吐き出す文句」から「変えるための文句」に変わっていく。
◾️次の職場に、期待を盛りすぎない
転職した直後の満足は、しばらくすると下がるものだ。
それを知っているだけで、下がり始めた時に「裏切られた」と感じにくくなる。
次の職場には、少し控えめに期待しておくくらいがちょうどいい。
◾️自分の型を知っておくと、期待を現実に寄せやすい
自分が何に向いていて、何ですり減りやすいかを知っておくと、次の職場への期待を現実に寄せやすくなる。
ワンピースのキャラで自分の仕事の型が分かる「ワンピース仕事診断」を作ったので、よかったら使ってみてほしい。(ファンの僕が作った非公式の診断)
辞めるかどうかで迷っているなら、「仕事を辞めるべきか続けるべきか」に、僕の判断の基準を書いた。
あとがき:文句ばかり言う人から離れても、薄情じゃない
結局、元親友とは縁が切れた。
今でも時々、貯金をするなり、お金をしっかり稼げる状況を作っておけば、縁を切ることにならなかったのかな、と思うことがある。
今更だけどね。
ただ、離れると決めたきっかけは、お金がなかったことじゃない。
雑に扱われたことだった。
お金に余裕があれば、助け続けるか離れるかを、自分で選べたのかもしれない。
だからあなたも、文句ばかり言う人から離れることに、罪悪感を持たなくていい。
合わない場所から離れていいように、合わない人からも離れていいのだ。
ただ、次の場所に行く前に、自分の減点のしかただけは一度見ておいてほしい。
あなたのまわりの文句が、少しでも小さく聞こえる日が来ますように🦥
📚 この記事で確認した資料
- Wanous, J. P., Poland, T. D., Premack, S. L., & Davis, K. S. (1992). The effects of met expectations on newcomer attitudes and behaviors: A review and meta-analysis. Journal of Applied Psychology, 77(3), 288–297.
- Boswell, W. R., Boudreau, J. W., & Tichy, J. (2005). The relationship between employee job change and job satisfaction: The honeymoon-hangover effect. Journal of Applied Psychology, 90(5), 882–892.
- Judge, T. A., & Watanabe, S. (1995). Is the past prologue?: A test of Ghiselli's hobo syndrome. Journal of Management, 21(2), 211–229.
- Felps, W., Mitchell, T. R., & Byington, E. (2006). How, when, and why bad apples spoil the barrel: Negative group members and dysfunctional groups. Research in Organizational Behavior, 27, 175–222.
- Kowalski, R. M. (1996). Complaints and complaining: Functions, antecedents, and consequences. Psychological Bulletin, 119(2), 179–196.
- Barsade, S. G. (2002). The ripple effect: Emotional contagion and its influence on group behavior. Administrative Science Quarterly, 47(4), 644–675.
※「文句を言うと脳が縮む」という話もよく見かけるが、元になった研究を確認できなかったので、この記事では使っていない。
📋 文句ばかり言う人の末路についてよくある質問
文句ばかり言う人の末路は、どうなりますか?
いちいち文句ばかり言う人の心理は何ですか?
ずっと文句を言っている人は病気ですか?
文句ばかり言う人を黙らせるにはどうすればいいですか?
職場の文句ばかり言う人に疲れたら、どうすればいいですか?
自分も文句が多いと気づいたら、何から始めればいいですか?
🦥 末路図鑑シリーズ
「あの人はこの先どうなるのか」を、心理学と実体験から書いています。気になるものからどうぞ。
💬 コメント・感想
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